コラム
「ゼロトラスト」と「ITM」の融合:インサイダー脅威管理の重要性
ゼロトラスト(Zero Trust)は、従来の境界型セキュリティモデルに代わる新しいアプローチとし
て、昨今急速に注目を集めています。従来のモデルでは、ネットワーク内に一度入れば信頼される「内
側」と、外部の脅威を防ぐ「外側」という考え方が基本でしたが、ゼロトラストは**「誰も信頼しな
い」**という前提で、すべてのアクセスを常に検証し続けるモデルです。
一方、インサイダー脅威管理(ITM)は、組織内部の人間による意図的または偶発的なセキュリティ
リスクに対処するための施策です。このITMの考え方は、ゼロトラストモデルと非常に密接に関わって
おり、組織のセキュリティを強化するためには両者の融合が不可欠です。
目次
1.ゼロトラストの「信頼しない」原則とITMの一致(Insider Threat)とは?
ゼロトラストの基本的な原則は「信頼しないこと」です。内部のネットワークやユーザーも、外部と
同様に信頼されず、アクセス権は常に検証され、制限されます。この考え方は、内部の人間も潜在的な
脅威となり得るというITMの基本的な概念と一致しています。
従業員やパートナーに一度アクセス権を与えても、それが永続的なものではなく、リアルタイムでの
アクセス監視や、特定の行動に基づいた検証が必要です。ITMは、内部の人間による不正行為やミスを
防ぐため、常にデータへのアクセスを監視するという点で、ゼロトラストの精神を具体化するツールと
も言えるでしょう。
2.アクセス制御の重要性とITMの役割
ゼロトラストでは、ユーザーやデバイスがどのデータにアクセスできるかを、厳密に制御することが
求められます。従来のセキュリティモデルでは、ネットワーク内に入ると比較的自由にデータやシステ
ムにアクセスできたのに対し、ゼロトラストでは必要最低限のアクセスしか許されません。
ITMは、従業員がどのデータにアクセスし、どのような操作を行っているのかを監視する役割を果た
します。これにより、従業員が過剰な権限を持たず、適切な権限のみを行使しているかを確認できま
す。適切なアクセス制御とその継続的な監視は、ゼロトラストを実現するために不可欠です。
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3.リスクベースの監視とITMの相乗効果
ゼロトラストモデルにおいては、ユーザーの行動やアクセスパターンを常に分析し、リスクが高いと
判断された場合は、さらに厳格な検証を行う必要があります。このリスクベースのアプローチは、ITM
が行動監視を通じて異常行動を検出するプロセスと相互に補完するものです。
ITMのシステムは、通常の動きから逸脱した従業員のアクセス行動をフラグ付けし、異常行動がリス
クであることを警告します。これにより、ゼロトラストのコンセプトである継続的な検証と適応的なア
クセス管理が強化され、内部からの脅威に迅速に対応できます。
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4. クラウドやリモート環境におけるITMの必要性
ゼロトラストは、クラウドやリモートワークの普及に伴って特に有効なセキュリティモデルとなって
います。従業員がリモートで働く場合、どこからでもネットワークにアクセスできるため、従来の境界
型のセキュリティでは対応しきれません。
ITMは、クラウド環境でも従業員のアクセスを監視し、異常行動を検出する能力を持っており、ゼロ
トラストの理論をクラウドやリモート環境にまで適用することを可能にします。これにより、どこで働
いていても、内部の脅威からデータを保護する仕組みが強化されます。
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5. まとめ
ゼロトラストモデルの基本は、「誰も信頼せず、常に検証する」ことです。この考え方は、インサイ
ダー脅威管理(ITM)のアプローチと完全に一致しており、内部の人間が引き起こすリスクを最小化す
るための有効な手段となります。ゼロトラストが組織のセキュリティの土台を提供し、ITMがその上で
具体的な監視と対応を強化することにより、両者は相互に補完し合い、より強固なセキュリティ対策を
構築できます。
ゼロトラストを実践する上で、ITMの導入は欠かせない要素です。内部の脅威を常に監視し、適切に
管理することで、現代の多様化した働き方やクラウド環境でも安全性を保つことができます。